どうする家康「守るべきもの」第9話感想~【本多正信の悲しい過去】(ネタバレ注意)

どうする家康

※本ページはプロモーションが含まれています。

3月5日放送、第9話のタイトルは「守るべきもの」です。

放送後一週間は、NHKプラスで無料で見逃し視聴ができます。再放送もあります

第9話のストーリー展開は、目次をご覧ください。

9話は予習記事の最後、三河一向一揆の終結の内容になります。

スポンサーリンク

9話の感想

第9回は、三河一向一揆が終息する回です。

長引く一揆をどう解決につなげるか、そして守るべきものとは何だったのか。

本多正信がなぜ寺院側についたか、理由が分かりました。

本多正信を演じる松山ケンイチさんの演技に惹きつけられました。

家臣を信じることに決めた家康

  • 家臣を信じられず引きこもる家康、家臣にも迷いが
  • 鳥居忠吉の助言
  • 家臣を信じると決めた家康

吉良の調略もあり、家臣を信じられなくなった家康は引きこもり、家臣にも迷いが出ています。

そこで、鳥居忠吉(イッセー尾形さん)が家康を訪ねてきた。

道は二つに一つ、どうする家康。

  • 裏切られるかもしれないが、家臣を信じる
  • 謀反の疑いがある者をことごとく殺す

主君が家臣を信じなければ 家臣は主君を信じまへぬ

第9話 鳥居忠吉のセリフ

家康の父や祖父は裏切られて死んでしまった。

鳥居忠吉も、家康の父や祖父を守れなかったことをずっと悔いている。信じていても裏切られてしまう時はある、それはどうすることもできない。それでも信じるしかない。

家康は家臣を信じると決めます。

追い詰められる一揆勢

  • 撃たれる本多正信
  • 空誓の葛藤

士気が高くなった家康勢に、一揆側が不利になっていきます。

本多正信を撃った大久保忠世

愚かなり 弥八郎…

第9話 大久保忠世のセリフ

8年前にタッグを組んでいた大久保忠世と本多正信。

大久保忠世(小手伸也さん)は、本多正信が信仰心だけで寺院側についたとは思っていなかったでしょう。

致命傷にならないように、正信の肩を撃っていた

大久保忠世は本多正信の能力を認めているのに、正信は落ちぶれてしまった上に対立してしまった。

本多正信がこれ以上罪を負わないように、止めたかったのかもしれません。

ちなみに、本多正信が出奔した後、大久保忠世が正信の妻と子の面倒を見たり、正信が戻る時に仲介役になったりと、大久保忠世は情に厚いエピソードが他にもたくさん残っています。さすが色男殿

空誓の葛藤

空誓(市川右團次さん)も民を守る為に戦っていた。

しかし、民を戦わせて寺を守ることに罪の意識を感じている様子でした。

救いを求める民を守るために家康と戦ったはずが、たくさんの民を死なせてしまった。

謝る空誓を見て、本多正信も自分のやったことが正しかったのか、葛藤しているように見えました。

三河一向一揆の終結

  • 水野信元の和睦の提案
  • 寺院側と和睦
  • 戦後処理

水野信元の仲介

通説では、三河一向一揆で水野信元が家康に援軍を出したり、和睦の仲介に関与したとされています。

ドラマでも水野信元(寺島進さん)が仲介に関わっていましいた。

全て元どおりに戻すと言って手打ちにしろ

方便じゃ 方便

第9話 水野信元のセリフ

和議を結んだあとに寺院を潰す流れにするも通説通りですが、その提案が水野信元の入れ知恵という描き方が、うまいと感じました。

まだまだお人よしな家康が「寺を潰す」という流れにするのはちょっと違和感が・・・。荒っぽい水野信元の入れ知恵だとすれば納得。

許された夏目広次

謀反の罪は不問となった夏目広次(甲本雅裕さん)。

やっと家康が夏目広次の名前を覚えてくれた

本来なら、謀反人を許せばしめしがつかない。

それでも裏切った自分を許してくれた殿に、声を震わせた。

殿を信じ、さらなる忠誠を誓ったことでしょう。

このシーンの甲本雅裕さんがとても良かった。もう三方ヶ原がつらい・・・

夏目広次は、家康の家臣としての立場を一番表していたかもしれません。

一向宗徒が多かったとされる家臣の中に、夏目広次や土屋重治のように殿と仏の間で葛藤している者も多かったはず。

家康は一揆側についても帰参を望む家臣には寛大な対応をしたと言われます。

「殿を裏切った」という過ちを許してくれた家康に、夏目広次のように「もう二度と裏切らない」と強く忠誠を誓う家臣も多かったのではないかと思います。

それが家康の家臣の忠誠心の高さや強さにつながったことでしょう。

家臣が分裂するという大ピンチだったけど、主君と家臣の信頼関係が試される戦いでもあり、戻ってきた家臣の忠誠心がより強まったと思います。

敵を許して組織に組み入れ、組織を強くするという姿勢は後の家康にもつながる姿なので、その土台となるシーンでもありました。

本多正信の追放と悲しい過去

  • 幼少期のお玉との別れ
  • 8年前のお玉との再会
  • 三河を追放される本多正信

お玉との悲しい過去

本多正信が寺院側についたと思われる理由が描かれていました。

幼馴染のお玉が連れさられ、遊び女となってしまっていた。

この世は苦しみばかり・・・

第9話 お玉のセリフ

現世に絶望して死んでいったお玉(井頭愛海さん)。

今にも消えてしまいそうな微かな力を振り絞り、お玉が最後まですがったのが、仏様

正信も、お玉のようなつらい立場の民が楽に生きられる現世を望んでいる一人だった。

本多正信が死んでしまったお玉の手を持って「南無阿弥陀仏」と何回も唱えるシーンは、「せめてあの世では幸せになってほしい」と願ったんだろうと感じました。

何でここにおるだ

第9話 空誓のセリフ

空誓からこう問われた正信。

本多正信にとって守りたいものは、お玉がすがった救いの場所

実は熱心な一向宗徒というわけではなく、お玉が救いを求めた一向宗を守る為、傷ついた人が救いを求める場を守る為に寺院側についたのかなと思いました。

仏にすがるのは 現世が苦しいからじゃ。

殿が… お前が 民を楽にしてやれるのなら だ~れも仏にすがらずに済むんじゃ

第9話 本多正信のセリフ

民から救いの場を奪うとは何事じゃ

この大たわけが!

第9話 本多正信のセリフ

苦しい現世で仏に救いを求める民から、その救いの場まで奪ったことに「お前」と激しく怒った本多正信。

本多正信なら、千代のようにしれっと逃亡していても不思議ではない。

弁明もせず、打ち首や切腹を覚悟してまで家康の前に現れたのは、家臣としてではなく、現世に苦しむ民の代弁者として物申すためだった。

わしは… ずっと悔いておる…

第9話 松平家康のセリフ

過ちを全て引き受け、わしは前へ進む!

第9話 松平家康のセリフ

民の救いの場である寺院と対立し、潰すことになってしまったことを悔いていた家康。

その役目を自分が背負わなければいけない。

自信がないながらも、仏にすがらずに済む世の中を作るという使命を背負った瞬間だったのでしょう。

厭離穢土おんりえど欣求浄土ごんぐじょうど・・・汚れたこの世を浄土に。

この言葉を旗印として掲げ、民のために戦っていく理由につながった気がします。

三河一向一揆と本多正信のオリジナルストーリーが家康にしっかり影響を与えていく内容になっているのがすごい

正信のとんち

わしの目見て 寺は必ず元どおりにすると おっしゃってくださらんか

第9話 空誓のセリフ

和議の際に、「寺は元通りにする」と空誓に伝えた家康。

一説では、和議の際に寺院側の要求で「元通りにする」という約束を交わしたとされます。

しかし、家康は和議の後に寺院側に一向宗からの改宗を迫り、拒んだ寺院を破却。

話が違うと抗議する寺院側に「元は野原だったから、元の野原にせよ」と言い放ったそう。

水野信元の提案に悩む家康に、本多正信が寺院を取り潰す言い訳を提案します。

元の野っ原に戻~す!

これを本多正信に言わせるなんて、うまい!

ずる賢い正信が言いそうな案です。

最後に案をくれたのは、過ちを認め前に進もうとしている家康に期待し、思いを託したのかもしれません。

それにしても寺院側についていたのに、家康にこんな助言しちゃうなんて、本当に食えないヤツ

のちの家康が、よくイメージを持たれる腹黒狸親父になっていくのなら、その影にこのイカサマ本多正信が大いに影響していそうなイメージが浮かびます。

家臣の立場を捨てて命懸けではっきり物申した正信だからこそ、のちに他の家臣とは一線を画す家康の心の友になれるのかもしれないと想像しました。

全体の感想

第9話は、三河一向一揆の終結の回でした。

その中で登場した、本多正信とお玉の悲しいオリジナルストーリー。

三河一向一揆の中で家康が直面した最大の課題が、民や家臣を信じること

生きとる世界が違う。

苦しみを与える側と…救う側じゃ

第7話 空誓のセリフ

救う側だったはずの寺院側も、一揆を起こしたことで苦しみを与える側になってしまった。

どちらかをヒーローや悪者に描くのではなく、両者とも正義があり、罪の意識もある。

家康も空誓も守るものは同じなのに、対立してしまった。

半年におよぶ長引く戦いで疲弊し、内輪での争いは敵も味方もしんどい。

お互いボロボロになりながらも、同じ三河の中で対立すべきではないと気づいたのかもしれません。

我らは 民に生かしてもらっておるのじゃ。

民に見放された時こそ 我らは死ぬのじゃ。

第8話 今川義元のセリフ

民の生活を守るために戦い、主君も家臣民に守ってもらっている

信頼関係や団結力を強めた回であったと思います。

家康もまだまだ未熟ですが、責任感が強くなっている感じがします。

この時点でずる賢くも頼もしい本多正信。

いなくなってしまうのは非常にさみしいです。

最大の罪を犯したのに命を助けてくれた家康のために、できるだけ早く帰ってきてほしいです。

そして、三河一向一揆を挑発していた千代(古川琴音さん)、やはり武田信玄の歩き巫女と噂のある望月千代でした。

今後も家康をかき乱す存在になりそうです。

U-NEXT

見放題動画22万本とラインアップ数は断トツのNo.1(2022年2月時点)。
初月の31日間無料で体験できます。
毎⽉もらえる1,200円分のポイントは、最新映画のレンタルやNHKオンデマンドの利用、マンガの購⼊にも使えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました