この記事は、2023年の大河ドラマ『どうする家康』を楽しむための予習記事です。
「大河ドラマは難しい」と思っている方にも、通説をもとに大まかになるべく分かりやすく背景を紹介しています。
予備知識があると、大河ドラマがグッと面白くなりますよ。
三河の大名になった徳川家康は、東隣の遠江へ進出します。
ここでいよいよ、戦国最強と評される武田信玄が徳川家康に接近してきます!
わくわくしますね~家康を追い詰めていきますからねー
大河ドラマ「どうする家康」の武田信玄役は、阿部寛さんです。
【新たな出演者発表!】
— 2023年 大河ドラマ「どうする家康」 (@nhk_ieyasu) November 29, 2021
戦国最強のレジェンド
⌌ ⌍
武田信玄
⌎ ⌏#阿部寛
家康のなすことすべてを先読みし、赤子の手をひねるようにたたき潰す。家康にとって生ける教科書のような人物。#どうする家康 pic.twitter.com/bVcfQRsvdj
阿部寛さんは2009年大河ドラマ「天地人」で、武田信玄の最大のライバル・上杉謙信を演じたので、逆の立場ですね。
Twitterでは、「ひとりで川中島の戦いができる」と盛り上がっていました
遠江の混乱~遠州忩劇(そうげき)~
1566年、家康は三河統一をはたします。
三河の右隣りにある遠江(現在の静岡県西部)。
1568年、27歳の家康は今川家が支配する遠江へ勢力を伸ばしていきます。
1560年の桶狭間の戦いで今川義元が討たれた後、遠江も三河と同じように混乱状態に陥りました。
井伊家、飯尾家、天野家、奥山家など遠江の国衆が今川家に対して反乱を起こします(遠州忩劇)。
遠江を支配する今川家当主・今川氏真は、配下の離反に対してかなり疑心暗鬼になっていました。
三河を任せたはずの徳川家康も、今川家を離反してしまいましたからね
今川氏真の祖母・寿桂尼や譜代家臣の後ろ盾で、なんとか駿河や遠江をまとめていた状況です。
寿桂尼は「女戦国大名」と呼ばれる程、今川家ではかなり権力を持ったおばあちゃん。武田信玄も一目置く存在です
今川氏真は、遠江の配下の国衆に人質を要求したり、離反の兆候が見られるとすぐ粛清してしまったよう。
※粛清:厳しく取り締まったり、処刑すること
遠江の国衆に不満が募り、さらに離反を呼んでしまいました。
井伊家の混乱
徳川家康が遠江へ進出する際に、最初に立ちはだかるのが古くからの豪族である井伊家。
遠江進出の妨げになると危惧していました。
井伊家といえば、のちに徳川四天王の一人となる井伊直政がいますが、この時はまだ6歳くらい。
しかも、命を狙われて身を隠している状態。
徳川家康と出会うのは15歳なのでもう少し先です。
大河ドラマ「どうする家康」では、井伊直政役を板垣李光人さんが演じます。イケメンの直政にピッタリ!
【チーム家康、出演者発表!】
— 2023年 大河ドラマ「どうする家康」 (@nhk_ieyasu) April 15, 2022
井伊谷からやってきた美少年
井伊直政:#板垣李光人
女城主直虎によって大切に育てられた井伊家の御曹司で、家臣団の新戦力として活躍。頭の回転が速く、女性によくモテる。誰に対しても不遜な物言いをするのでトラブルが絶えない。#どうする家康 pic.twitter.com/d6AdtrjLyN
この頃の井伊家は、ものすごくゴタゴタしています。
井伊家は今川家の支配下にある国衆ですが、今川義元亡き後、井伊家の中でも今川家に仕えていくかどうかと不安定な状態でした。
井伊家の当主が次々と亡くなり井伊直虎が当主になりますが、井伊家の家臣である小野政次が今川氏真に言い寄り、井伊家の本拠地・井伊谷城を乗っ取ってしまった。
この小野政次の動きに反発していたのが井伊谷三人衆。
井伊谷三人衆
- 菅沼忠久
- 鈴木重時
- 近藤康用
井伊谷三人衆が今川家から離反し徳川家康についたことで、家康の遠江進出が有利に進みます。
家康の後ろ盾で、井伊谷三人衆が小野政次を井伊谷城から追い出し、小野政次を処刑に追い込みます。
この頃の井伊家のゴタゴタは、大河ドラマ「おんな城主 直虎」の前半で詳しく描かれています。
通説では悪人で伝わる小野政次。
ドラマでは、小野政次(キャスト:高橋一生さん)が直虎を守るために最期はりつけの刑にされてしまいます。
命をかけて悪役に徹する姿は、政次ロスになる程の神回で泣けます。
井伊谷城を奪還したことで、家康はすんなり遠江に進出でき、さらに進軍して曳馬城(のちの浜松城)を落とします。
動き出す武田信玄・挟み撃ちの密約
いよいよ、武田信玄が駿河の今川家を攻める準備を始めます。
北にある越後の上杉謙信とずっと戦ってきたけど、強すぎるし、弱体化した南の今川家へターゲットを変えたのかな
戦略家で用意周到な信玄は、今川氏真をじわじわと追い詰めていきます。
武田信玄との密約
徳川家康が遠江に進軍する前に、武田信玄から密約があったと言われています。
内容は、弱体化した今川家を同時に攻め、挟み撃ちにしようというもの。
- 駿河(今川領の大井川から東側)は、武田に
- 遠江(今川領の大井川から西側)は、徳川に
今川家を攻め落とした際、領地をこのように分割領有しようという約束がされました。
甲相駿三国同盟の破棄
武田家・北条家・今川家は甲相駿三国同盟を結んでいましたが、武田信玄が同盟を反故にするような動きをします。
甲相駿三国同盟の詳細はこちら
以前から関係が良くなかった武田信玄の嫡男・武田義信が、1567年に謀反の疑いで幽閉されてしまい、廃嫡されます。
※廃嫡・・・相続権がなくなること
信玄と義信は、今川家へ侵攻するかどうか等でもめていたとか。
武田義信の奥さんは今川氏真の妹だから、今川家を攻めたくないよね
三国同盟で武田義信に嫁いだ今川氏真の妹も、今川家へ送り返されてしまいます。
武田と織田の同盟
さらに、武田信玄は織田信長と同盟を結びます。
今川氏真にとって、父・今川義元の仇である織田信長との同盟は裏切りも同然
この時、織田家嫡男・織田信忠と、武田信玄の娘・松姫が婚約します。
(実はその前にもう一組政略結婚してるんですが、奥さんがすぐ亡くなってしまうので、新たに婚約させました。)
ちなみに、婚約した織田信忠と松姫は幼かったので結婚は先の予定でしたが、その前に家同士が敵対し、同盟が破棄されてしまいます。敵方になってもお互いをずっと想い合う悲恋の二人。
「戦国版ロミオとジュリエット」なんて言われたりします。
事実上、甲相駿三国同盟が破談状態にされた今川氏真は激怒。
武田家が治める甲斐への塩の流通を止めてしまいます。
塩止めについて
武田家が支配する甲斐と信濃(現在の山梨県と長野県)は海がないので、塩を止められるのは死活問題。
もう一つの同盟相手である相模(現在の神奈川県)の北条氏康は今川家を味方しているので、北条家も塩の流通を止めてしまいます。
北条氏康の奥さんは今川義元の姉妹、愛娘の早川殿も今川氏真に嫁いでいますから、今川家を裏切れないですよね
この時甲斐に塩を流通したのが、越後(現在の新潟県)の上杉謙信。
「武将たるもの戦いで勝敗を決める。塩止めで困らせるのは違う。」
みたいな感じで、長年のライバルである武田信玄を助けたようです。
有名な「敵に塩を送る」の由来ですね。謙信かっこいい
さらに今川氏真にとって追い打ちとなるのが、今川家のラスボス・寿桂尼が亡くなってしまったこと。
寿桂尼の死は今川家にとっては大きな出来事
条件が色々そろってきたことで、いよいよ武田信玄が駿河へ侵攻しようとします。
まとめ
徳川家康による遠江への侵攻について、家康の動きをまとめると
- 遠江の最初の試練である井伊家は、井伊谷三人衆への調略であっさりクリア
- 武田信玄と今川家挟み撃ちの密約をかわした
- 曳馬城(浜松城)付近まで攻略
武田信玄が三国同盟を反故にし、今川氏真はピンチに。
いよいよ、武田信玄による駿河への侵攻が始まります。
同時に、徳川家康は遠江を侵攻。
今川氏真を挟み撃ちにします。
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