この記事は、2023年の大河ドラマ『どうする家康』を楽しむための予習記事です。
「大河ドラマは難しい」と思っている方にも、通説をもとに大まかになるべく分かりやすく背景を紹介しています。
予備知識があると、大河ドラマがグッと面白くなりますよ。
桶狭間の戦いで今川義元が討ち取られてしまい、今川軍は敗北。
この後、家康にとっての座右の銘ともなる言葉に出会い、決意を新たにします。
※この時の徳川家康の名前は「松平元康」ですが、ここでは便宜上「徳川家康」で統一します。
敗戦の将となった家康
今川軍は総大将を失い、家臣たちは統率を失い、今川家の領土へ逃げ帰ります。
大高城にいた家康にも、今川軍敗北の知らせが届きます。
家康に知らせをよこした一人が、家康のおじ・水野信元の家臣である浅井道忠と言われています。
水野信元は織田方なので家康にとっては敵ですが、甥っ子の家康を心配して知らせてくれたのでしょう
敵地の織田領にいるのは危険すぎるので、家康たちは大高城をを引き上げ、浅井道忠の道案内で自分の本拠地である岡崎へ逃げます。
落ち武者狩りの危険
ここで怖いのが、敵兵や雑兵による落ち武者狩りです。
実はかなり恐ろしい。
身分の高い武将の首は懸賞金がかけられることがあり、さらに、甲冑や刀など金目の物目当ての追剥ぎに狙われます。
農民による雑兵だとしても、なめてはいけない。
むしろ、武士のように統制されていなかったり、忠義で戦うわけでもないので、ルール度外視でいたる所からがむしゃらに襲ってきます。
まさに、リアルに「逃走中」状態。 ハンター多すぎて無理ゲー。
生き延びても武士として生きられず、ひっそりと身を潜めざるを得ない場合も。
敗戦するというのは、それ程恐ろしいことなのです。
家康は身分もあり、大高城での功績もあるため、懸賞首としては絶好のターゲット。
金の甲冑つけてたみたいだし・・・
こんな危険な状況の中、家康はなんとか岡崎までたどり着きます。
大樹寺へ逃げ延びる
家康の本拠地・岡崎城には、今川家臣がいるため入れません。
近くにある松平家の菩提寺・大樹寺に逃げ込みます。
この時の家康の配下はわずか18人だったと言われています。
しかし、寺の周りを落ち武者狩りの雑兵に取り囲まれてしまいます。
家康大ピンチ!
敗軍の将は、兜をしたまま首を切られ、敵方でさらし首にされる可能性も。
兜首というのですが、この上ない屈辱。
「雑兵に首を取られるくらいなら、切腹しよう」
家康は、先祖代々の墓の前で絶望します。
そこへ、寺の住職・登誉上人が
「厭離穢土 欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)」
と家康に諭します。
穢土を厭い離れ浄土を願い求めるならば、仏の加護を得て事を成すことができる
かなり嚙み砕くと
「戦乱の世は欲望のための戦いだらけでけがれている、平和な世にするために頑張れば仏様はきっと味方してくれますよ!」
家康は、自害を思いとどまります。
幼少期から戦に翻弄されてきた家康だからこそ、なにか響いたのかもしれないですね
戦乱の世を終わらせ、太平の世にしたい!
胸に刻み、戦う決意をしたのでしょう。
その後、家康はこの言葉を旗印として掲げ、戦うようになります。
※旗印:戦場で目印としてつける旗に書かれている文字や模様
何のために戦うのか、それに気づいたのではないでしょうか。
家康にとってターニングポイントともなる出来事ですね
ちなみに、寺を取り囲んだ雑兵は、僧侶達の協力もあって追い払うことができました。
祖洞和尚という、ものすごく強いお坊さんがいたらしいです
「どうする家康」では、家康の自害を止めた登誉上人を里見浩太朗さんが演じます。
【第5弾出演者発表!】
— 2023年 大河ドラマ「どうする家康」 (@nhk_ieyasu) November 7, 2022
松平家を見守る菩提寺の住職
登譽上人:#里見浩太朗
松平家の盛衰を見守ってきた岡崎・大樹寺の頑固一徹な住職。
彼の教えである「厭離穢土欣求浄土(汚れた世を浄土にすることを目指せ)」は、生涯を通じての家康の精神的な支えとなり、徳川家の旗印になる。#どうする家康 pic.twitter.com/6gCgovUFa1
榊原康政と出会う
逃げこんだ大樹寺で、勉学中の榊原康政(13歳)に出会います。
榊原康政は、徳川四天王の一人。
後に、本多忠勝と競うほどの猛将として活躍します。
松平家臣(の家臣)・榊原長政の子でありとても優秀だったので、家康に見いだされて小姓になります。
※小姓:武将の側で仕え、身辺の雑務をする家来
「どうする家康」では、榊原康政役を杉野遥亮さんが演じます
【チーム家康、出演者発表!】
— 2023年 大河ドラマ「どうする家康」 (@nhk_ieyasu) April 15, 2022
徳川家臣団のクールな貴公子
榊原康政:#杉野遥亮
文武に優れた若き武将。名門榊原家の生まれだが、次男のため自由気ままに好きに生きていたところを、家康にその才能を見いだされる。マイペースで、ちょっとひねくれた性格。#どうする家康 pic.twitter.com/rHWll3Az94
岡崎城へ帰還
岡崎城にいた今川家臣が城を捨てて駿河に引き上げため、岡崎城は空になっていました。
混乱に乗じて、家康は岡崎城に入ります。
この時19歳。
やっと今川家の人質から解放され、松平家の当主として本拠地の岡崎城に戻ることができます。
決意を新たにした家康は、混乱した三河の地を平定すべく、動き出します。
まとめ
桶狭間の戦いの敗戦をきっかけに、人生の教訓ともなる言葉に出会った徳川家康。
強大な今川義元の死により、周辺諸国も動き出します。
- 徳川家康 → 三河の大名として今川家から独立し、三河平定&今川領の遠江を奪いに行く
- 今川家 → 滅亡へと進んでいく
- 織田信長 → 今川義元に勝った事で強さを知らしめることに。美濃(今の岐阜県)攻めへ
- 武田信玄 → 今川領の駿府を奪いに来る
家康は、混乱する三河を平定すべく動き出します。
コメント